プロデューサーの松田広子さん|『急に具合が悪くなる』、カンヌ映画祭に行く
すべてのことにはきっかけがあって、「もしこれがなかったら」「あれがなかったら」と辿りはじめたら、生まれるときにまでたどり着いてしまいます。
でも、やはり物事にはそれが生まれる決定的なきっかけがあって、そのきっかけが人だった場合、その人のことは忘れたくない。映画『急に具合が悪くなる』におけるその人は、プロデューサーの松田広子さんでした。
松田さんは裏方に徹している方なので、こんなふうに紹介されるのは本意ではないと思う。
でも、松田さんが濱口さんに原作を手渡したことがすべての始まり。だから、こういう人が確かに存在したことは、できるだけ多くの人に知っていてほしいのです。
プレミア上映翌日の記者会見で、松田さんに質問が行ったことも、素敵な笑顔が見られたこともとても嬉しい私でした。
支える人たち
ひとつの映画がどういうふうに作られていくのか。その一端を今回垣間見たわけですが、驚くほど多くの人々が1つの映画に関わり、それぞれの人が、それぞれの役目を最大限こなして初めて作品が出来上がることを知りました。
映画祭中も、制作会社のオフィスシロウズと配給会社のビターズエンドの若手二人が大活躍。もちろん他にもたくさん。
裏方の皆さんは役目に徹しているので、松田さん同様こんなこと言われたいとは思ってもいないでしょう。でも、華やかな場所には、それを支えるたくさんの人たちがいることを忘れたくないな、と思うのです。
エンドロールに感じ入ったのは今回が初めてだったし、これからの映画のエンドロールはそういう風に眺めたいなと思います。

さようなら、カンヌ
さてカンヌ滞在は本日で終わり。早朝フライトです。
人生でこの地を踏むことはもう2度とないでしょう。思いもかけない、たくさんの忘れがたい風景をもらった4日間でした。この機会を作ってくださった皆様に深くお礼を申し上げます。
今回は大きなニュースだったので、こちらのブログで連日発信しました。でも『急に具合が悪くなる』について私が語りたい言葉は、大量の言葉がものすごいスピードで通り過ぎる空間にはあまり向かないという結論にこの数年で達しています。なので今回のような特別を除き、文章が長くなる場合には、ニュースレターを通じた発信をメインとする予定です。このブログは従来通り、お知らせと短いノートがメインの運用に戻ります。
映画『急に具合が悪くなる』は本当に素晴らしい作品です。
原作が濱口さんの手に渡ったことにより、たくさんの人たちが私たちが引いたラインを、広大な織物に変えてくださいました。ここからは観客の皆さんが、その織物の編み手になってくれると信じています。
ぜひ劇場でご覧ください。
| 開催場所 / 掲載媒体 | カンヌ国際映画祭 |
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