ヴィルジニー・エフィラさん、岡本多緒さん、最優秀女優賞受賞|映画「急に具合が悪くなる」
映画「急に具合が悪くなる」が最優秀女優賞を受賞したからこそ、お二人のこんな笑顔を見ることができました。朝から感じ入っています。(サムネイル:Andreas RentzGetty Images Entertainment :ゲッティイメージズ提供)
岡本多緒さんとは、日本とカンヌでお話をさせていただきました。モデル、ハリウッドと華々しい場所で活躍を続けていらっしゃる岡本さん。でも生き方は、華々しいというよりも、地にしっかり足がつけようとされている。そんな空気が、言葉の端々から伝わってくる方でした。岡本さんが、この脚本と出会い、宮野さん側の役を演じてくださって本当に良かったと思っています。
原作と映画は別だから、あまり重ねてはいけないと思う。でも、多緒さんのお腹にもう一つの命が宿っていることもまた、宮野さんの命が引き継がれたように思います。記者会見の場で、宮野真生子さんの名前を出してくださったことも本当に嬉しかった。
そして、ヴィルジニー・エフィラさん。私側の役をやってくださったというのは、あまりに烏滸がましく感じられるので、とてもそう口にはできません。ただプレミア上映後の記者会見で「 ”台詞を使うのではなく、台詞を生きてほしい”と言われ、最初は意味がわからなかったけど、だんだんわかるようになった」とおっしゃっていたのが、今だに記憶に残っています。
日本語を勉強してほしいと言われ、平仮名も勉強し、「今の私の日本語は小学生レベルだと思う」と言っていたエフィラさん。でもそうやって言葉に向き合い、言葉を生きてくださったからこその受賞なんだと思います。発表の後、岡本さんの手を取って二人で壇上に向かうエフィラさんの姿は涙なしにはみられませんでした。
明日はたまたま、「急に具合が悪くなる」についての授業日
この映画は本当に不思議で、原作と並走するように話が進みます。カンヌでの上映は、書簡が始まった季節と重なり、日本での上映は、宮野さんの具合が本当に悪くなり、書簡の色合いが一変した時期と一致します。
そして明日5月24日は、東京科学大の医科歯科系の1年生全員に向け、「急に具合が悪くなる」についての講義をする日。
これはオムニバス授業の1日で、別に狙ってこの日にしたわけでは全くありません。授業をやるのは昨年度から決まっていて、授業日が決まったのもコンペティション選出が判明する前。
本当に「たまたま」なのですが、これからの医療を担う若者たちに、こんなタイミングで原作の話ができるのも、大切な導きなのかな、と思うのです。
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